7/23/2022

東北地方の野生植物

東北地方の山地の野生植物

東北地方には、中央部を南北に走る全長約500kmに及ぶ奥羽山脈があり、そのほか広大な山地や高地がいくつかある。これらの山地は森林が深く植物の数も豊富だ。山岳は日本アルプスと比べ高さも急峻さもないが、緯度が高く冷涼なため高山植物も多く見られる。樹木も白神山地を代表とする各山地において大規模なブナ林が残っている。そしてこれらの森が都市部の近郊に広がっているのも魅力である。



秋保温泉 宮城県仙台市

仙台市郊外にある温泉地。山形県との県境の温泉地で渓谷、滝、名取川などがある魅力的な地域だ。以下に秋保温泉植物園に生育する山野草と樹木を紹介する。


秋保地域の山々

名取川上流


: 草木の名前は、カタカナ、ローマ字、英語名又は学術名の順で表記してあります

  * Plant's name is described in order of Japanese name (Kana), description of Roman alphabet,  and English name

  (or Scientific name). 


チゴユリ, Chigoyuri, Disporum Smilacinum

チゴユリは落葉樹林の樹間に生える。4月頃から1cmほどの白い花を咲かせる。


チゴユリ


エビネ, Ebine, Calanthe Discolor

エビネは広葉樹林の樹間に生育する。鑑賞価値が高いため森林内からの採取が多くIUCNレッドリストではNTとなっている。


エビネ

クマガイソウ, Kumagaiso, Japanese cypripedium

クマガイソウは低山の林内に生育する。環境省のレッドリストでVU 絶滅危惧類の指定がされている。

クマガイソウ


ミツガシワ, Mitsugashiwa, Bogbean

ミツガシワは湿地や水深の浅い水中に生える。4月頃総状花序を出し白い花をつける。


ミツガシワ


センダイハギ, Sendaihagi, Thermopsis Lupinoides

センダイハギは海辺の草地などに生える。6月頃総状花序に黄色い花をつける。


センダイハギ


クマザサ, Kumazasa, Sasa Veitchii

クマザサは林床に群生して生える。数十年に一度花茎の先に穂状の小さな花をつける。


クマザサ

ミツバウツギ, Mitsubautsugi, Staphylea Bumalda DC.

ミツバウツギは林間に生える。5月ころ枝先に円錐花序を出し白い花をつける。東北地方の低山では良くみられる。


ミツバウツギ


ミヤマガマズミ, Miyamagamazumi, Wright’s Viburnum

ミヤマガマズミは明るい林内や林縁に生える落葉紅葉樹の低木。5月頃枝の先に散房花序をつけ白い小さな花を多数咲かせる。秋に赤い小さな実をたくさんつける。


ミヤマガマズミ


サラサドウダン, Sarasadoudan, Redvein Enkianthus

サラサドウダンは明るい林間に生える落葉広葉樹の低木である。5月頃白に薄紅色の筋の入った花を咲かせる。


サラサドウダン


サワフタギ, Sawafutagi, Symplocos Sawafutagi

サワフタギは山地の沢や湿地に生える。東北地方の山間部ではよく見られ5月頃枝の先端に円錐花序をつける。


サワフタギ


シロヤシオ, Shiroyashio, Rhododendron Quinquefolium

シロヤシオは太平洋側の山地に生息するツツジ科の落葉樹。5月頃白い花を咲かせる。


シロヤシオ


ヤマツツジ, Yamatsutsuji, Rhododendron Kaempferi

ヤマツツジは山地の林内や林縁に生育する。5月頃朱色の花を咲かせる。この植物も東北地方では良く見られる。


ヤマツツジ


ツクバネウツギ, Tsukubaneutsugi, Abelia Spathulata

ツクバネウツギは東北の太平洋側と関東以西の山地に生育する。5月ころ白または黄色の花をつける。


ツクバネウツギ


アズマシャクナゲ, Azumasyakunage, Rhododendron Degronianum

アズマシャクナゲは亜高山帯の林内に生育する。5月頃枝先に総状花序を伸ばし薄紅色の花を咲かせる。


アズマシャクナゲ


ハウチワカエデ, Hauchiwakaede, Downy Japanse Maple

ハウチワカエデは山地の中腹などに生育する落葉広葉樹。楓の仲間の中で葉が大きい種類だ。秋になると東北の山々で赤や黄色の紅葉で山肌を彩る。


ハウチワカエデ


秋田市郊外

近年、日本の地方都市では人口減少が顕著になっている。そんな状況であっても新しい居住地区開発が進み、平野部の耕作地保護の規制もあって開発は山間部にまで拡大している。一方で都市部の居住区では空き家が増加しており、山あいの自然が減少し、都市部は次第に活気を失っていく。こうした人間の生活圏が変化する中でも野生植物は限られた環境下で生き続けている。秋田市郊外は低山に囲まれ、山間の谷間にも水田が作られ昔ながらの環境がまだ少し残っている。そして杉などの人工林に植え替えられていない広葉樹林の中には数多くの山野草が生育している。 


ダム湖上流の広葉樹林:秋田市郊外


キクザキイチゲ, Kikuzakiichige, Anemone Pseudoaltaica

キクザイチゲは落葉広葉樹の林床などに生育する。3月下旬頃から花茎の先端に3cmほどの薄紫の花を咲かせる。


キクザイチゲ


ナニワズ, Naniwazu, Daphne Jezoensis

ナニワズは山地の林間に生育する。4月初め頃から黄色い小さな花を咲かせる。春のまだ寒い期間に可愛らしい花を咲かせるが一般にはあまり知られていない。


ナニワズ


ホウチャクソウ, Houchakuso, Disporum Sessile

ホウチャクソウは雑木林の林間の開けた場所に生育する。5月頃先端の葉の付け根から2cmほどの緑がかった白い花を咲かせる。花は開かないので垂れ下がるという感じだ。


ホウチャクソウ


マイズルソウ, Maizuruso, Snake-berry

マイズルソウは山地の林縁に生育する。4月頃から白い花を総状花序につける。


マイズルソウ

サワハコベ, Sawahakobe, Stellaria Diversiflora

柏市の野草で3種類の平野に生育するハコベを紹介してきたが、このサワハコベは山地の湿地に生育する。花弁は5枚で途中から2つに分かれている。


サワハコベ

ノミノフスマ, Nominofusuma, Stellaria Uliginosa

ノミノフスマは湿った野原などに生える。山間部のものは樹木の影になるためか少し草丈が高いような気がする。花弁は5枚であるが途中で切れ込んでいるため10枚に見える。小さい可愛らしい花である。


ノミノフスマ

タネツケバナ, Tanetsukebana, Bitter Cress

タネツケバナは水辺に群生する。このタネツケバナは山地の林縁にあったため平野部のものと比べてやや勢いがないように見える。


タネツケバナ


タチカメバソウ, Tachikamebaso, Trigonotis Guilielmii

タチカメバソウは山地の湿ったところに生える。淡青色の可愛らしい花を5月頃咲かせる。


タチカメバソウ


シャク, Syaku, Wild Chervil

シャクは山地の湿った場所に生育する。5月頃小さな花をたくさんつける。


シャク


ツボスミレ, Tsubosumire, Viola Verecunda

ツボスミレは山地のやや湿った林縁に生える。4月頃小さめの花をうつむき加減に咲かせる。


ツボスミレ


タチツボスミレ, Tachitsubosumire, Viora Grypoceras

タチツボスミレは野原や、山林内などさまざまな環境下で生育している。山間部では林縁に生えていた。秋田では4月頃から花を咲かせる。


タチツボスミレ


シラネアオイ, Shiraneaoi, Glaucidium Palmatum Siebolt

シラネアオイは日本固有種で山地の林間のやや湿ったところに群生する。5月頃薄紫色の花を咲かせる。秋田県では純絶滅危惧種に指定されている植物だが、発見し易い低山でも見られる。だが生育場所はあまり固定していなくて毎年変わっていくようだ。


シラネアオイ


ミツバツチグリ, Mitsubatsuchiguri, Potentilla Freyniana

ミツバツチグリは日当たりの良い草原や林縁に生える。4月頃花を咲かせる。


ミツバツチグリ


ネコノメソウ, Nekonomeso, Chrysosplenium Grayanum

ネコノメソウは山地の湿地に群生する。4月頃小型の緑がかった黄色い花をたくさんつける。萼のように花序の下に受けているのは苞葉で黄緑色である。


ネコノメソウ


キケマン, Kikeman, Corydalis Heterocarpa var. Japonica

キケマンは明るい林内に生える。4月頃から総状花序に黄色い花をつける。アルカロイドを含む有毒植物である。赤い茎と黄色の花が毒々しい印象を与える。


キケマン


ウワバミソウ, Uwabamiso, Elatostema Umbellatum

ウワバミソウは沢沿いの水気の多い場所に生える。東北地方では山菜の代表格でありミズと呼んでいる。春は柔らかい茎を食べ、夏の終わり頃にできるムカゴを茎と共に茹でて食用にする。

ウワバミソウ


ミズバショウ, Mizubasyo, Asian Skunk Cabbage

ミズバショウは山地の湿地などに生育する。4月頃白い仏炎苞の中に小さな花を咲かせる。尾瀬湿原がミズバショウの一大群生地として有名であるが、東北地方の山間部では小さな湿地などでも群落を普通に見ることができる。


ミズバショウ


ワサビ, Wasabi, Japanese Horseradish

ワサビは山地の渓流や湿った場所で群生する。特に渓流沿いや山砂に覆われた斜面などで多く見られる。4月頃花茎の先端に白い小さな花を層状につける。ワサビ全体を食材として利用する。

ワサビ


イカリソウ, Ikariso, Fairy Wings

イカリソウは低山の林縁や林内に生える。4月頃吊り下がった状態の小さな花を咲かせる。薬として利用される。


イカリソウ

ヒトリシズカ, Hitorishizuka, Chloranthus Quadrifolius

ヒトリシズカは山地の林内などに生育する。4月頃花茎の先端い穂状花序をつける。有毒であるが薬に利用される。


ヒトリシズカ


カキドウシ, Kakidoushi, Alehoof

カキドウシは草地や山林の斜面などの湿った場所に生育する。4月頃唇型の小さな花を咲かせる。山地に生育するものは平野部のものより花の色が薄い。食材や薬として利用される。


カキドウシ


ニリンソウ, Nirinso, Wind Flower

ニリンソウは山地の小川沿いなどの湿った場所に群生する。4月頃花茎の先に2輪の白い花を咲かせる。

ニリンソウ


シュンラン, Syunran, Noble Orchid

シュンランは落葉樹林内の林床斜面に生える。4月頃花茎の先に緑色の花を横向けに咲かせる。

シュンラン


マムシグサ, Mamushigusa, Arisaema Serratum

マムシグサは山地の湿った林床に生える。4月頃緑色の肉穂花序をつける。シュウ酸カルシュウムを含み特に球根の毒性が強い。


マムシグサ


ショウジョウバカマ, Syojobakama, Heloniopsis Orientalis

ショウジョウバカマは山地の湿った場所に生える。4月ごろ花茎の先に薄紅色の花をつける。雪の深い所では、雪が消えたあと葉は雪の重さに押し潰されて地面に張り付いたままで、その地面から花茎を伸ばして花を咲かせる。


ショウジョウバカマ


ヤマエンゴサク, Yamaengosaku, Corydalis Lineariloba

ヤマエンゴサクは山林の斜面に生育する。4月頃薄紫色の花をつける。有毒であるが薬として利用される。

ヤマエンゴサク


コバギボウシ, Kobagiboushi, Hosta Sieboldii

コバギボウシは山地の明るい草地に生育する。8月頃薄紫色の花を下向きにつける。山地にはオオバギボウシも生育しているが、それに比べて全体が小ぶりである。


コバギボウシ


オオヒナノウスツボ, Ohhinanousutsubo, Scrophularia Kakudensis

オオヒナノウスツボは低山の日当たりの良い草地や林縁に生える。8月頃暗紅色の小さな花を咲かせる。地味で目立たない。


オオヒナノウスツボ


コマユミ, Komayumi, Euonymus Alatus

コマユミは樹高3mほどになる落葉広葉樹で山地の林縁に生える。6月頃薄緑色の6mmほどの小さな花をつける。花の色は黄緑で小さくで目立たない。


コマユミ


モミジイチゴ, Momijiichigo, Rubus Palmatus

モミジイチゴは山地の林縁などに生える。4月頃白い花を咲かせ6月頃に薄橙色の果実をつける。東北地方では木苺の代表格で食用にするが、幹に棘を持つため実を採取することに難儀する。


モミジイチゴ


アオダモ, Aodamo, Fraxinus Lanuginosa

アオダモは樹高が5mほどになる落葉広葉樹で、広葉樹林内に生育する。バットの材料として利用されることで有名であるが、乱獲のため原木が少なくなってきている。


アオダモ


ウワミズザクラ, Uwamizuzakura, Japanese Birad Cherry

ウワミズザクラは山地の小川のそばの湿った場所に生育する。5月頃ブラシのような白い花を咲かせる。果実を食材として利用する。


ウワミズザクラ


ヤブデマリ, Yabudemari, Japanese Snowball

ヤブデマリは山地の沢などの湿った場所に生育する落葉広葉樹。5月頃ガクアジサイに似た白い花を咲かせる。


ヤブデマリ


カンボク, Kanboku, Viburnum Sargentii

カンボクは山地の梨園などのやや湿った場所に生える落葉広葉樹。5月頃ガクアジサイに似た白い花をつける。薬として利用される。


カンボク


キブシ, KIbushi, Stachyurus Praecox

キブシは山地の明るい場所に生える。4月頃淡黄色の総状花序をつける。まだ葉の出揃わない時期に咲くので色、形は地味だがよく目立つ。


キブシ


ネムノキ, Nemunoki, Pink Siris

ネムノキは山野に生育する落葉広葉樹で樹高が10mに達する。7月頃淡紅色の花を咲かせる。高木となったネムノキの花にはアゲハ蝶がよく集まる。


ネムノキ


タニウツギ, Taniutsugi, Weigela Hortensis

タニウツギは山地の沢沿いなどに生育する落葉広葉樹。5月頃薄紅色の花を咲かせる。


タニウツギ


ミツバウツギ, Mitsubautsugi, Staphylea Bumalda

ミツバウツギは山林内に生育する。5月頃白い花を咲かせる。ミツバウツギは花が咲いていないと判別しにくいが、東北地方の山地にはよく見られる植物だ。


ミツバウツギ


ミツバアケビ, Mitsubaakebi, Akebia Trifoliata

ミツバアケビは山地の林縁などに生える蔓性の木本。5月頃濃い紫色の花を咲かせる。果実は食用として枝のつるは工芸品の材料として利用される。


ミツバアケビ


ノブドウ, Nobudo, Ampelopsis Glandulosa

ノブドウは藪の中などに生育する蔓性の落葉低木。実は紫色や緑色など美しいがハチの幼虫が寄生していることが多い。


ノブドウ


裏磐梯高原

裏磐梯高原は、福島県の北部にあり、磐梯山、安達太良山、吾妻連峰に囲まれた標高800mほどの高原地域である。この高原には五色沼や桧原湖など変化に富んだ湖沼が数多くあり観光地としても有名である。



五色沼

ミヤマアオダモ, Miyamaaodamo, Fraxinus Aperyisquamifera

ミヤマアオダモは低山の日当たりの良い林縁などに生育する落葉樹である。5月頃白い花を咲かせる。

ミヤマアオダモ

ゲンノショウコ, Gennosyoko, Geranium Thunbergii

ゲンノショウコは山野や草地に生える。この山地に生えていたものは木陰になっていたためか花や葉が平地のものに比べて小さい。薬草として有名である。


ゲンノショウコ

ヒヨドリバナ, Hiyodoribana, Boneset

ヒヨドリバナは日当たりの良い林道の脇や渓流沿いに生育する。8月頃白い筒状花を咲かせる。

ヒヨドリバナ


キンミズヒキ, Kinmizuhiki, Agrimonia Pilosa var. Japonica

キンミズヒキは山地の道端などに生える。7月頃花茎に総状花序をつけ黄色い花を咲かせる。薬に利用される。


キンミズヒキ


ノリウツギ, Noriutsugi, Hydrangea Paniculata

ノリウツギは山地の林縁などに生育する。7月頃アジサイに似た白い花を咲かせる。東北地方の山地にはよく見られる植物である。


ノリウツギ


リョウブ, Ryobu, Clethra Barbinervis

リョウブは山地の林縁などに生育する。7月頃総状花序に白い花を咲かせる。


ノリウツギ


ウバユリ, Ubayuri, Heart-leaf Lily

ウバユリは山地の林内に生育する。7月頃緑がかった白い花を横向きに咲かせる。

花は周りの緑にとけ込んで落ち着いた静かな佇まいである。


ウバユリ


ヤマユリ, Yamayuri, Gold-banded Lily

ヤマユリは山地の林縁や草地に生育する。7月頃大型の黄色い条の入った白い花を咲かせる。香りが強く花は大輪で草たけも高いためよく目立ちユリの王様の風格だ。


ヤマユリ


果実

東北地方の山地では、9月頃から秋の気配が感じられる。その季節に植物の果実が実っていく。山地の木の実や果実はクリ、アケビ、ガマズミやヤマブドウである。


ミツバアケビ, Mitsubaakebi, Akebia Trifoliata

ミツバアケビは山地の林縁などに生える。9月頃から果実が大きくなり熟すと皮の色は紫色に変わり、縦に亀裂が入り果肉の中の種が地上に落ちるようになる。


ミツバアケビの果実

ガマズミ, Gamazumi, Linden Viburnum

ガマズミは9月頃小さい赤い果実をたくさんつける。この果実は果実酒などに利用される。


ガマズミの実

ヤマブドウ, Yamabudo, Crimson Glory Vine

ヤマブドウは山地の林内に生える蔓性の低木落葉樹である。9月頃に果実が黒っぽい紫色に熟す。果実は食用にまた茎は工芸品に利用される。


ヤマブドウの実



追記


奥羽山脈

奥羽山脈は青森県の夏泊半島から栃木県の帝釈山地に至る東北地方を縦断する全長500kmの山脈である。北部は八幡平、岩手山や栗駒山などの有名な山岳地があるが、その知名度の影響をあまり受けずにまだ奥羽山脈の名称で通じやすい。それが宮城県、山形県、福島県に入ると蔵王連峯、吾妻連峰や磐梯山などの名称がより有名になり、奥羽山脈の印象は薄れてしまうのである。奥羽山脈の主な山岳は、八甲田、八幡平、岩手山、秋田駒ケ岳、焼石岳、栗駒山、蔵王連峰、吾妻連峰、安達太良山、磐梯山、那須高原である。


八幡平

八幡平は秋田県と岩手県境に沿って広がる標高1600mほどの高原台地である。

アオモリトドマツやササに覆われ高山植物の群落も多い。秋には濃い緑、薄緑やナナカマドの赤などの色彩がなだらかな稜線から山肌までを飾り見事な紅葉の景観になる。


八幡平:八幡平頂上付近から岩手山方面を望む

クルマユリ, Kurumayuri, Lilium Medeoloides

クルマユリは高山帯の草原に生え、7月頃5cmほどの愛らしい花を咲かせる。


八幡平の草原に咲いていたクルマユリ


ウメバチソウ, Umebachiso, Parnassia Palustris

ウメバチソウは山地の日当たりの良い湿った場所に生える。


八幡平の登山道脇に咲いていたウメバチソウ


ヤマハハコ, Yamahaahako, Anaphalis Margaritacea

ヤマハハコは山地の日当たりの良い草地に群生する。草丈は50cmほどで8月に茎の先に散房状に白い花を咲かせる。八幡平の登山道脇に咲いていたヤマハハコ、花弁がプラスチックのようなしっかりとした印象だ。


ヤマハハコ


栗駒山

栗駒山は秋田、岩手、宮城にまたがる標高1600mほどの活火山である。


栗駒山頂状付近より北方面の奥羽山脈を望む

栗駒山の登山道脇に生えていたノリウツギ

蔵王連峰

蔵王連峰は山形県と宮城県の県境に位置する活火山の集まりである。主峰は標高1800mの熊野岳。この地域には著名な温泉地が数多くある。


御釜展望台付近の山容

ミヤマアキノキリンソウ, Miyamaakinokirinso, Solidago Virgaurea Subsp.

ミヤマキリンソウは亜高山帯の草地に生える。


展望台側の草地に咲いていたミヤマアキノキリンソウ

安達太良山

安達太良山は福島県中央部にある活火山である。標高は1700mほどで高山植物の種類も豊富だ。

岳温泉から見た安達太良山

ヤマハハコ, Yamahaahako, Anaphalis Margaritacea

ヤマハハコは山地の日当たりの良い草地に群生する。草丈は50cmほどで8月に茎の先に散房状に白い花を咲かせる。一つ一つの花はまるでお菓子のような形をしている。


ヤマハハコの群生


オヤマリンドウ, Oyamarindo, Gentiana Makinoi

オヤマリンドウは山地の道端や草地に生える。8月頃濃い紫色の花を花茎の先端につける。薬として利用される。


オヤマリンドウ


吾妻連峰

吾妻連峰は福島県と山形県の県境に沿って東西に連なる火山群である。東吾妻火山群、中吾妻火山群と西吾妻火山群に分けられる。標高は1900mほどである。


西吾妻山:最上川の源流となる地域



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References; 

[1] Wikipedia

[2] Observation reference-book of wild flowers

   ( 野の花・山の花 観察図鑑; Publisher 「主婦の友社」 )

[3] Wild plants in all seasons ( 四季の山野草; http://www.ootk.net/shiki/ )